季節の変わり目に、クローゼットの扉を開けた瞬間。
ふと、「この服、いつから着ていないんだっけ?」と手が止まりました。
それは数年前にお気に入りで着ていたワンピース。
悪くはないけれど、今の自分には少し似合わない気がする。
そんなモノが、他にもいくつも見つかりました。
忙しさに追われて、暮らしの中に“見直す”余白を持てていなかったのかもしれません。
ただ、思い切って何着か手放してみると、クローゼットの中が少し呼吸し始めたように感じました。
モノを見直すと、暮らしの風通しが変わる
40代になって、暮らしの優先順位が変わってきました。
便利なもの、素敵なもの、気分を上げてくれるもの。モノに囲まれる豊かさはあるけれど、ふとしたときに感じる“重たさ”もあります。
あれこれ持っていると、毎日の選択にもエネルギーが必要です。
服を選ぶ、食器を出す、文具を手に取る。どれもささいなことですが、意外と「どれにしよう」と迷う回数は多いもの。
でも、お気に入りだけに囲まれるようになると、そうした迷いが自然と減っていきます。
気づけば、朝の支度が少しだけスムーズに。夕方の片づけが、ちょっと気楽に。
「減らす」こと自体が目的ではなく、“自分にとっての心地よさ”を見つける手段なのだと、最近ようやく実感するようになりました。
「今の自分に必要か?」を問い直す時間
20代の頃に使っていた化粧ポーチや、仕事の節目でもらった記念のノベルティ。
いつか使うかも…としまい込んでいたけれど、結局その“いつか”は訪れないまま。
手放すという行為には、勇気が必要です。
けれど、よく見てみると、それらは「今の自分」にとっては役割を終えたモノたち。
手放すことは、過去を否定することではなく、感謝を持って見送ることなのだと思います。
私は季節の変わり目に、時間を決めて“暮らしの棚卸し”をするようにしています。
残すもの、手放すもの。
いまの私にとって必要なモノたちを、丁寧に選び直す作業です。
すると不思議と、モノだけでなく「考え方」や「習慣」までもが少しずつ整っていく感覚があります。
手放すことで軽くなる
モノの見直しは、暮らしの深呼吸です。
ぎゅうぎゅうに詰まっていた引き出しに余白ができると、不思議と気持ちまで軽くなります。
たくさん持つことが豊かさなのではなく、“自分にとって必要なものが、必要なだけある”ことこそ、心を満たしてくれるのかもしれません。
モノを見直すことは、これからを大切に生きるための準備なのだと思います。
そしてそれは、モノだけでなく、ポルシェのような愛車にも言えることなのかもしれません。
季節が変わるように、愛車にも乗り換えの時が来る。
上手に手放すことで、また新しい自分らしい日々が始まります。