手で書くから、見えてくることがある
パソコンやスマートフォンで文字を打つ毎日。 仕事の連絡も、予定の管理も、ほとんどが画面の中で完結しています。 でも私は、紙とペンで「書く時間」をいまも手放せずにいます。 それは、何かをまとめるためでも、誰かに見せるためで … 続きを読む
パソコンやスマートフォンで文字を打つ毎日。 仕事の連絡も、予定の管理も、ほとんどが画面の中で完結しています。 でも私は、紙とペンで「書く時間」をいまも手放せずにいます。 それは、何かをまとめるためでも、誰かに見せるためで … 続きを読む
夜、窓を開けて、月を探す。 何をするでもなく、ただ見上げるだけの時間が、秋には似合うと思います。 季節の行事としての「十五夜」は、どこか遠いものに感じていたけれど、いつからか私は、“月を見ること”そのものが、心を整える習 … 続きを読む
着物の裏地に、ふと目を奪われたことがあります。 誰にも見えないはずのところに、そっと咲くような柄。 それはまるで、持ち主の心の奥にある静かな美しさが、そこだけに表れているようで。 そんなふうに「表に出ない部分」に手をかけ … 続きを読む
夏の夕方、買い物袋を片手に帰る道すがら。 「今日はもう、あまり重たいものは食べたくないな」 そんな気分の日に、冷蔵庫で出番を待ってくれているのが「トマトのお浸し」です。 火照った身体に、つめたく冷えただしがじんわりとしみ … 続きを読む
朝、カーテンを開けたときの空気の質。 雨が降り出す前の、わずかに湿った匂い。 お気に入りのハンドクリームを塗ったあと、ふと指先から立ち上る香り。 香りは見えないけれど、確かにその日の気分を左右するもの。 だから私は、服を … 続きを読む
お気に入りの白いマグカップがあります。 どこで買ったのか、正直よく覚えていません。 きっと何かのついでに、たまたま手に取ったものだったと思います。 でも今では、このマグがないと一日が始まらない。 そう思うくらい、私の朝に … 続きを読む
ふと、デパートの地下でお中元特設コーナーを見かけたときのこと。 整然と並ぶ熨斗付きの箱を見て、「ああ、今年もこの季節が来たんだな」と思いました。 けれどそのまま通り過ぎようとして、足が止まりました。 今年は、何か贈ってみ … 続きを読む
毎年、夏が近づくと、ふと祖母の家の縁側を思い出します。 風鈴の音。夕立の匂い。台所から聞こえる揚げ物の音。 そのすべてが、お盆の風景と重なっているような気がします。 小さな頃は、ただなんとなくしていた“迎え火”。 大人に … 続きを読む
庭の小さな石を、山に見立てる。 茶碗の内側に、夜空の広がりを感じる。 そんな“見立て”の文化は、日本人の美意識のひとつとして、昔から大切にされてきました。 それは、実際に「何に見えるか」よりも、「どう感じるか」を受け取る … 続きを読む
部屋を片づけて、ふとできた空間。 会話の途中で訪れる静かな沈黙。 お気に入りの器を、あえて何も盛らずに眺める時間。 そんな“何もない”瞬間に、私はなぜか心を落ち着かせてきた気がします。 それは、きっと日本人の美意識に根づ … 続きを読む