気づけば、手元に似たようなハンドクリームが3本。
読まずに積んでいる雑誌、使いこなせなかった調理グッズ。
「あるのに、また買ってしまった」
そんな小さな“後悔”が、静かに心を疲れさせることがあります。
便利なものが簡単に手に入る今だからこそ、安直に“増やさない”。
そんな意識が、私の中で少しずつ根づいてきたのは、40代に入ってからのことでした。
買う前の習慣を変えてみる
以前の私は、忙しさやストレスを理由に、ネットショッピングで気分転換することがよくありました。
ポチっとした瞬間はすっきりするのに、届いた頃にはすでに熱が冷めていて、あまり使わないまま棚にしまわれる——なんてことも。
そんな繰り返しに、ふと疲れてしまったんです。
そこから、買う前にひと呼吸おくようになりました。
・本当に今これが必要?
・持っているもので代用できない?
・数日たっても欲しいと思う?
この3つを自分に問いかけてみるだけで、不思議と衝動的な買い物が減っていきました。
「好き」より「使い切れるか」で考える
雑貨や文房具、スキンケアアイテムなどは、つい「かわいい」「評判がいい」という理由で手に取ってしまいがちです。
でも最近は、「最後まで使い切れるか?」を基準にするようになりました。
ハンドクリームなら、香りやデザインだけで選ばず「使うシーンが具体的に思い浮かぶか」を大事に。
出勤前にバッグに入れる、寝る前の習慣として置いておく——
そんなイメージができると、自然と無駄になりません。
“好き”の気持ちを否定するわけではなく、それが日々の習慣にちゃんと溶け込むかを考えるようになったんです。
選ぶ量が減ると、心が整う
モノを増やさないようにすると、結果的に“選ぶこと”自体が楽になります。
朝の服選びも、引き出しを開けるたびの小さな迷いも、少しずつ減っていく。
選ぶエネルギーが減ると、心に余裕が生まれます。
あれこれ迷わなくなった分、コーヒーを淹れる時間や、好きな音楽を聴く時間が増えたように感じています。
それは、決して“我慢して買わない”のではなくて、必要なものだけで満ちている状態に安心できるようになったから。
「ある」ことに気づける暮らしへ
モノを持たないことが目的ではなく、“今すでにあるもの”を見つめ直すこと。
これまで当たり前に使っていた道具や、お気に入りの服たちと、もう一度ちゃんと向き合ってみる。
増やすより、見つめる。
欲しがるより、気づく。
そんな暮らし方が、40代の私にはちょうどいい気がしています。